ごきげん美人さんをつくる”血流”の話
目次
ごきげん美人さんをつくる”血流”の話
薬膳的に考える「血流」の話
「血」の流れが悪くなることを中医学では「瘀血」(おけつ)と言う言葉で表現します。
瘀血体質が見受けられるなら早いうちに血流を良くする方向にシフトしていくのがベスト。
瘀血って、いわゆる血流が悪いということなんですが、流れが悪いと、一箇所に滞りができて、かたまりができていくイメージ。
この「かたまりができやすい状態」を放っておくと例えば子宮筋腫とか子宮ポリープとか卵管癒着など婦人科系のトラブルを招いたり、痛みの原因になることもあります。
強い月経痛や神経痛、関節痛、頭痛や肩こりなどの痛みは瘀血によって引き起こされやすい痛みだと考えます。
中医学では、がんも瘀血を考えることが少なくないです。
流れが悪いから一点で増殖したり、沈着したりする、と考えるんですね。
沈着でいうと、くすみ・しみ・そばかすができやすくなるのもお肌の血流が悪い(=瘀血)と考えます。
もちろん瘀血があると必ずこうなる、ということはないのですがバランスが崩れたままでいると、いろいろなトラブルを招きやすいのも確か。
特に現代女性は瘀血になりやすい生活習慣をしていると言われます。
例えば座りっぱなしの仕事。
からだを動かす機会が減ることで血流は悪くなってしまいます。
加えてストレスや過労によっても瘀血は進んでしまいます。
なので、現代を心地よく生きていくためにも、血流をよくする習慣をひとつでも生活に落とし込んでおくことは大事なポイントです。
♦︎まずは血流チェックをしてみましょう
血流が悪くなった(=瘀血)ときに、どういう特徴が出やすいのかを知っておくと自分のからだの血流の状態ををチェックできるようになります。
☑︎肌のくすみ、しみ、そばかすができやすい
☑︎日焼けや傷痕が消えにくい
☑︎慢性的な頭痛や肩こりがある
☑︎目の下にクマができやすい
☑︎生理痛がひどい
☑︎生理前にお腹が張って、ウエストがきつくなる
☑︎生理開始とともに痛みが出はじめ、出血量が多いと痛みが強くなる
☑︎経血の色が赤黒くくすんでいる
☑︎経血にレバー状の塊が出る
☑︎手足が冷えやすい
☑︎便秘しやすい
・・・
ざっと、こんな感じでしょうか。
女性だったら月経の状態でからだのいろいろなことがわかります。
血流が悪い状態だと、経血の色が暗くなったりレバー状の塊が出たり、月経痛がひどくなったりといったサインが出やすいのです。
月経の痛みが強かったりレバー状の塊が気になる場合は、婦人科受診することも大事。
そして、日常生活では血流を悪くしないように工夫していくことが大切です。
からだの体質は総合的に判断していきますが、上のチェックに当てはまりやすい方は血流が悪くなっている可能性が高い、と捉えておきましょう。
全身的に血流が悪くなっている場合もあれば、部分的に血流が悪くなっている場合もあります。症状の出方は本当に人それぞれですが、どちらにしても、
流れにくいものは、流してあげる!というのが一番です。
血流をよくする過ごし方を知る
血流が悪くなってるなぁ、と感じたらまずは日常生活で「血流を悪くしている習慣」を見直していきましょう。
瘀血(=血流が悪くなってる状態)でとにかくNGなのは「からだを冷やすこと」です。
冷えは血流を悪くする大きな原因のひとつ。なんとなく感覚的にもわかりますよね。
寒い時には血行が悪くなる感じがしますし、温泉なんかでからだが芯から温まるとすごく血行が良くなる感じがする。
本当にそのとおりで、冷えると血流は悪くなり、瘀血を生み出しやすいのです。
だから、冷やさないこと。
冷たいものを食べない・飲まない。「飲み物は常温以上で」
不思議なことに、瘀血があると「冷たいものがほしくなる」ということはよくあります。
ここで我慢できるかどうかが分かれ道!まずは常温で。
お店に入ったときもできれば氷なしで。
やむをえず冷たいものを摂るときは温かいものも一緒にいただく。
保温の水筒は必須アイテムです。
また、血流・血行をよくするために欠かせないのが「軽い運動」。
仕事でずっと座りっぱなしとか、姿勢がずっと変わらないとか、動きが少なくなることで血流は悪くなってしまいます。
同じ姿勢がずっと続く時は数時間おきにからだを軽く動かしてあげたいところ。
というと、ストレッチする時間がない、場所がない、と思われるかもしれませんが、そんなに難しいことをする必要はありません。
例えば仕事中に肩こりが気になるなら、腕をバンザイして下ろす、バンザイしておろすという風なことをマメにするようにしてみたり。
すきを見つけて首をぐりっとまわしたり。
時間にして数十秒、場所もとりません。
ラジオ体操に出てくるような、簡単な動きでも十分だと思います。
ずっと動かさないでいると滞りができやすいですから。
生理痛が強かったり、下半身の冷えが気になるなら足の上げ下げとか大股で歩くだけでもOK。
流れをよくするためにはストレッチがやはり効果的です。
最後に、過労とストレス。これらも血流を悪くしてしまう大きな要因です。
ハードワークがが続いたあとは必ず休養ををとる。
リフレッシュする時間を取る。自分のために使える自分だけの時間をを確保しましょう。
自分の心がけ次第で、血流ををアップする過ごし方ができるはず。
まずは血流をを悪くする習慣がないか、振り返ってみましょう。
血流をよくしてくれる食材を知る
薬膳視点でみた、血流アップをサポートしてくれる食材をご紹介します。
中医学では「血」の巡りが悪くなること・悪くなった状態を「瘀血」と呼んだりしますが、(血瘀っていうこともあります)
この瘀血を改善すること、「血」の巡りをよくすることを「活血(かっけつ)」って言います。
瘀血には活血食材を上手につかって対処していきます。
活血効果が期待できる食材
玉ねぎ・ししとう・菜の花・にら・パセリ・レタス・小松菜…などのお野菜。
鮭・いわし・さば・あじ・さんま…などのお魚。
酢や少量のお酒(日本酒や焼酎、甘酒や酒粕など)。
これらの食材は血の巡りをよくする効果があると考えられています。
辛味のある食材は気血の巡りをよくしてくれるので、生姜やにんんく、らっきょうなどの薬味やスパイスも有効活用できるといいですね。
また、血流をよくするためには、そもそも「血」がないといけません。
しっかりと量がないと、流れてくれないんです。
「血」が足りなくて流れにくいのは干上がった川みたいなイメージ。
ちゃんと流れてくれる量の「血」がが必要なんです。
「血」を増やすことを「補血(ほけつ)」とあ言いますが、この補血効果が期待できる食材も合わせて摂っていきたいところです。
補血効果を期待できる食材
黒ごま・黒豆・ひじき・プルーン…などの黒い食材。
にんじん・ほうれんそう・パセリ・枝豆・しめじ…などのお野菜。
牛肉や豚肉、レバー、たまご…など。
月経中など、血を消耗する期間にはより意識して摂っていくことをおすすめします。
血がしっかりとあって、それがスムーズに流れていること。
これは美人をつくる素にもなります。
血流がアップすると女性はキラキラと輝くもの。
でも、女性の好きなパンケーキやクッキーだけではこういった「美人の素」は摂れていない、ということを知っておくことも、ポイントですね。
血流がよくなると美人になれる理由
そもそもどうして血流がよくなると美人になれるのでしょうか。
理由はとっても簡単で、からだの「血」の状態は、表面にも現れてくるから。
つまり、「見た目」に直結する、という側面があるのです。
最初の方でもちらっとお話ししたのですが、血流が悪くなると、肌のくすみ、そばかす、シミができやすいのです
流れが悪いから色素沈着が起こりやすい。
そして新陳代謝も下がった状態なので日焼けあとや傷痕、ニキビ跡がなかなか消えなかったりするのも、血流が関連していることが多いです。
またさきほども、血流をよくするためには「血」の量がしっかりとあることが大事だと書きました。
この「血」が不足している状態も、肌トラブルになりやすいのです。
「血」って、からだにとっては潤いや栄養分を与えるもの。
これが少なくなってしまうと乾燥肌や敏感肌(アトピーなど)、血色がないから顔色が悪く見える、髪がパサつき抜け毛が増える…
こういった不調を招きやすくなります。
さらにつっこんでいくと、「血」って精神面にも影響を与えるので「血」が不足した状態では必要以上にネガティブになってしまったり、不安になりやすかったり、神経が過敏にもなります。
からだと精神面って、切っても切り離せないものなんです。
「血」がしっかりあると潤いや栄養分が行き渡るので血色のいいつるんとした肌、豊かな髪に。
その「血」がしっかりと流れることで肌全体のトーンアップも目指せる、ということ。
当然肩こりなども解消するから、からだが軽い。精神面も安定するのではつらつとして
これはもう、「美人さん」で間違いないでしょう。
中医学を学ぶと健康と美しさはつながっている、と気づきます。
そして毎日の過ごし方や食べるもので「自分」が作られている、ということも。
難しく考えなくても大丈夫です。
冷やさないこと。
こまめにからだを動かすこと。
リラックスする時間をとること。
食事を大事にすること。
できることを少しずつ、積み重ねていきましょうね。