体を温める食材と、体の熱を逃してくれる食材

体を温める食材と、体の熱を逃してくれる食材

体を温める?冷やす?食材の使い分け

薬膳では、食材は五性(五気ともいいます)を持つ、と考えます。

この五性というのが熱性・温性・平性・涼性・寒性の5つ。

それぞれどんな持ち味があるかというと、

熱性はからだを温める。その力は強め。
温性はからだを温めてくれる。
平性は温めも冷やしもしないもの。
涼性はからだを冷やしてくれるもの。
寒性はからだを冷やす。その力は強め。

代表的な食材としては、

熱性の食材:生のにんにく、胡椒、唐辛子、焼酎など
温性の食材:ねぎ、しょうが、シソ、ニラ、ぶり、さば、味噌、酢など
涼性の食材:小松菜、セロリ、豆腐、大根、なす、冬瓜、ほうれん草、レタスなど
寒性の食材:柿、パパイヤ、ゴーヤ、あさり、昆布、ビール、バナナ、すいかなど

そして食材のほとんど(7割くらい)は、温めも冷やしもしない、平性の食材だと言われています。

例えば、粳米、いも類、大豆、えのき、春菊、にんじん、ブッコリー、しいたけなど…

細かく覚えなくても、
スパイスや香辛料、発酵させたものはからだを温めるものが多く、
トロピカルフルーツや葉物野菜などはからだを冷やすもの多い、という風に

ざっくり頭に置いておくといいかもしれません^^

普段の養生では平性の食材を中心にいただき、健康を維持していきます。

そして冷えたときには温熱性(からだを温める)食材、
からだに熱があるときは寒涼性(からだを冷やす)食材を上手に使ってからだのバランスをとっていきます。

体の熱を逃してくれる(冷やす)食材

【穀類】小麦、はと麦
【豆類】小豆、緑豆、豆腐
【野菜】トマト、きゅうり、なす、へちま、ウリ類、アロエ、インゲン豆
【果物】キウイ、すいか、パイナップル、メロン、バナナ、レモン
【魚介】かに、海草類
【飲料】緑茶   など

体を温めてくれる食材

【穀類】もち米
【野菜】あさつき、かぶら、パクチー、ししとう、紫蘇、しょうが、高菜、たまねぎ、菜の花、にら、ねぎ、ぱせり、マッシュルーム、よもぎ、らっきょう
【肉類】鶏肉、羊肉
【魚介】あじ、あんこう、いわし、かたくちいわし、鮭、さば、にしん、ふぐ、ぶり、ます
【調味料】黒砂糖、胡椒や山椒、お酢、味噌  など

これらは長い歴史の中で、経験によって集約されたものなので、くっきりはっきり区別できるものでもないのですが、(書籍によっては少しずつ違うところもあります)
ある程度頭に入れておくと、献立を立てるときに役立ってくれるはず。

簡単なことからはじめてみよう

例えば寒くなる季節は、お砂糖は黒砂糖を使ってみようかな、とか
もち米を使ったおこわを選んでみようかな、とか。

冷え性さんは、こういった体を温めてくれる食材を組み合わせて献立を立てたり、食べるものを選べるといいと思います。

冷えたら温める、熱があるなら冷やす。
これは薬膳の基本方針のひとつです。

個々のからだに合わせてバランスを取る、ということが大事。

ちなみに一方だけを意識しすぎるとバランスが悪くなることもあります。

例えばからだを温めることばかりを意識すると、
人によっては「熱」に偏ってしまう可能性もあります。

熱っぽい症状としては、口臭や体臭がきつくなったり、尿の色が濃くなってトイレの回数が減ったり、喉が乾く、冷たいものが欲しくなる、吹きでものができる…というような場合。

こういったときには体が「熱」に傾いてる可能性があるので、そういったときはクールダウンすることも必要です。

そのときどきの体の調子に合わせて、食べるものや組み合わせを選んでいけるといいですね。

(食材については、『現代の食卓に生かす「食物性味表」』日本中医食養学会編著 を参考にまとめています。)

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